Cost Performance Handbook
家づくりのコストパフォーマンス実践ガイド
家の価格は、何を選ぶかで決まります。このページでは、家の価格と性能を左右する重要なポイントを解剖し、賢い選択をするための知識を提供します。
CHAPTER 1 家の骨格。「構造」で変わるコストと強さ
家の基本となる構造。ここではまず、日本の木造住宅で主流となっている2つの工法を比較します。
それぞれの特徴を知ることが、あなたの理想の家づくりへの第一歩です。
木造軸組工法
間取りの自由度が高く、将来のリフォームにも柔軟に対応。日本の気候風土に合った伝統的な工法です。
- コスト感: ★★☆☆☆
- 耐震性: 設計次第で最高等級を実現
- 設計自由度: 非常に高い
「耐震等級3を確保しつつ、コストを抑える工夫は…」
A工務店の詳しい考え方を見る2×4(ツーバイフォー)工法
面で支える構造のため、耐震性・気密性に優れています。工期が比較的短いのもメリットです。
- コスト感: ★★★☆☆
- 耐震性: 高いレベルで安定
- 気密性: 高い性能を確保しやすい
「高い気密性が生み出す、省エネ効果は…」
Bハウスの詳しい考え方を見るその他の注目工法
WB工法 — 呼吸する、健康な家
壁の中に空気の通り道を作り、湿気や化学物質を自然に排出する「通気断熱WB工法」。結露を防ぎ、一年を通して快適な室内環境を保ちます。
WB工法を手掛けるE社の実例を見る
SE構法 — 大空間と耐震性を両立
強度の高い集成材を特別な金物で接合する「木造ラーメン構法」。柱や壁が少ない、開放的な大空間や大きな窓を実現しながら、優れた耐震性能を誇ります。
F設計事務所のSE構法の家を見るCHAPTER 2 未来の光熱費を考える。「省エネ住宅」の作り方
今や家づくりのスタンダードとなった「ゼロエネルギーハウス(ZEH)」。
光熱費を抑え、快適で健康的な暮らしを実現する省エネ住宅は、どのように作られるのでしょうか。その基本となる3つの要素をご紹介します。
基本の知識:ZEH(ゼッチ)とは?
ZEH(Net Zero Energy House)とは、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロにすることを目指した住宅のことです。簡単に言うと、「使うエネルギー ≦ 創るエネルギー」となる家のことです。これを実現するために、以下の3つのアプローチが重要になります。
- ① 断熱性能を高める
外の暑さや寒さの影響を受けにくくし、少ないエネルギーで家を快適な温度に保ちます。 - ② 省エネ設備を導入する
給湯器やエアコン、LED照明など、エネルギー消費の少ない高効率な設備を使います。 - ③ エネルギーを創る
太陽光発電システムなどで、家庭で使うエネルギーを自ら創り出します。
ポイント:ZEHは、光熱費が安くなるだけでなく、夏は涼しく冬は暖かい快適な室内環境や、災害時の非常用電源としても役立つなど、多くのメリットがあります。
省エネ住宅を実現するためのアプローチ
要素① 断熱性能を高める
省エネ住宅の基本は、魔法瓶のように熱を逃がさない「高断熱」な家であること。その心臓部となるのが断熱材です。各社がZEH基準をクリアするために、どのような断熱材をどう使っているかに注目しましょう。
- グラスウール: コストと性能のバランスが良い
- ウレタンフォーム: 高い気密性も同時に実現
- その他: セルロースファイバー、フェノールフォーム等
「私たちは、壁の中だけでなく、最も熱が逃げやすい『窓』の性能にもこだわります。トリプルガラス樹脂サッシを標準採用し、Ua値0.3台を実現しています。」
D工務店の高断熱住宅を見る要素② 気密性能を高める
どれだけ高性能な断熱材を使っても、家に隙間があれば熱は逃げてしまいます。「高気密」は高断熱とセットで考えるべき重要な要素。その性能を客観的に証明するのが「気密測定」です。
- C値(隙間相当面積): 1.0㎠/㎡以下が目安
- 測定タイミング: 建築途中と完成時の2回が理想
- 効果: 計画的な換気、冷暖房効率UP
「良い家は、性能が数値で証明できなければならない。私たちは、お客様への約束として、全棟で気密測定を実施し、性能報告書をお渡ししています。」
Cホームの性能へのこだわり要素③ エネルギーを創る
ZEHの仕上げは、エネルギーを自給自足する「創エネ」。代表的なのが太陽光発電システムです。日中に発電した電気を使い、余った分は売電することで、月々の光熱費を大幅に削減、あるいはプラスにすることも可能です。
- メリット: 光熱費削減、売電収入、災害対策
- 検討事項: 初期費用、屋根の形状・方角
- 将来性: 蓄電池との連携でさらに進化
「太陽光パネルの導入は、もはや特別なことではありません。私たちは、初期費用を抑えるリースプランや、最適なパネル容量のご提案も得意としています。」
Iソーラー電機の提案を見るCHAPTER 3 命と財産を守る。「耐震性」の考え方
日本で家を建てるなら、地震への備えは最も重要なテーマの一つです。
ここではまず、家の強さの基準となる「耐震等級」について学び、次にそれを実現するための具体的な技術を見ていきましょう。
基本の知識:耐震等級とは?
耐震等級は、地震に対する建物の強さを示す指標で、3段階に分かれています。数字が大きいほど、耐震性が高くなります。
- 耐震等級3 (最高等級)
建築基準法で定められた基準の1.5倍の力に対して倒壊・崩壊しない強度。災害時の救護活動の拠点となる消防署や警察署などは、この等級が基準とされています。 - 耐震等級2
建築基準法で定められた基準の1.25倍の力に対して倒壊・崩壊しない強度。学校や病院などの避難所に指定される建物に求められるレベルです。 - 耐震等級1
建築基準法で定められた、最低限の耐震性能。震度6強から7の地震で、即時に倒壊はしないものの、大規模な修繕が必要になる可能性があります。
ポイント:実は、一般的な木造2階建て住宅では、最高等級である「耐震等級3」を取得するための詳細な構造計算は法律で義務付けられていません。だからこそ、どの会社がどこまで真剣に耐震性と向き合っているかを知ることが大切です。
耐震性を高めるためのアプローチ
許容応力度計算(構造計算)
建物にかかる様々な力(地震力、風圧力、積雪など)を科学的に計算し、部材が耐えられるかを確認する手法。一棟一棟丁寧に行うことで、家の安全性を客観的な数値で証明します。
- コストへの影響: ★★☆☆☆
- 安心感: 非常に高い
- ポイント: 「全棟で構造計算を実施」は信頼の証
「私たちは、見えない部分の安全こそが最大の価値だと考え、法律で義務付けられていない建物も含め、全棟で許容応力度計算を実施しています。」
G工務店の安全への誓い制震技術(制震ダンパー)
建物の構造部に特殊なダンパーを設置し、地震の揺れのエネルギーを吸収する技術。建物の変形を抑えることで、繰り返す余震によるダメージの蓄積を防ぎます。
- コストへの影響: ★★★☆☆
- 効果: 繰り返す揺れに強い
- ポイント: 耐震構造との組み合わせで効果最大化
「地震は一度きりではありません。大切な家とご家族の暮らしを、本震だけでなく、その後の余震からも守り抜くために、私たちは制震を標準仕様としています。」
Hハウスの制震住宅を見る